今回ご紹介する本は、
『V字回復の経営』ー2年で会社を変えられますか (三枝匡著)です。
少し古い本ですが、絶対に読んでいただきたいオススメの1冊です。
本書はビジネス書としてはとても著名なので、読まれたことがある方も多いと思います。
私はこの本を読んで経営の面白さを知り、その後たくさんのビジネス書を読むきっかけとなりました。
そして、会社の上司や部下に宣伝して読んでもらいました。
なぜなら、当時私がいた会社は、この本に出てくるような会社の雰囲気で緊張感が無く、経営状況が右肩に下がっていたんですね。
この本を参考書として、会社の課題認識や改善の取り組みの参考にしました。
私の愛読書として定期的に読んでいますが、読むたびに共感と反省を繰り返しています。
池井戸潤をも彷彿とする小説仕立てとなっていて、とても面白く読みやすい本です。
まだ読んだことが無い方、また一度読んだことがあるという方も、もう一度ぜひ手にとってみてください。
今、読んでみても新鮮に感じます。
三枝匡とは
1967年 一橋大学経済学部を卒業
三井石油化学工業(現三井化学)入社
ボストン・コンサルティング・グループの国内採用第1号のコンサルタント
1975年スタンフォード大学経営大学院修了、経営学修士(MBA)を取得
2001年ミスミ社外取締役、2002年6月ミスミグループ本社代表取締役社長CEO
2008年ミスミグループ本社代表取締役会長CEO
2014年ミスミグループ本社取締役会議長
2018年4月ミスミグループ本社シニアチェアマン
コンサルタントとして活躍されていましたが、その後は自分で企業経営を実践しながら、人材育成をしたいという想いから、部品商社のミカミに着任し、その手腕を振るいました。
ミカミは、本当に絵に描いたような右肩上がりの急成長をしてきました。やはり経営者の力なんでしょうね。
私も一度、三枝氏の講演を聞かせていただく機会がありましたが、とにかく頭脳明晰な方だという印象をもちました。
●ミスミの売上推移
『V字回復の経営』-2年で会社を変えられますか
三枝匡が事業再生コンサルとして、(株)コマツの「産機事業本部」の事業再生が元になったと言われています。
この本は、改革を成功へ導くための要諦50を挙げています。まさに参考書のようで、わかりやすいです。
例えば、要諦9はこの三枝氏のメインメッセージともなっている
「創って、作って、売る」をスピードよく回すことが顧客満足の本質。
ですが、
現場(お客さま)と開発が近くにいて、それをスピードを持って回していくってことで、これは今風にいうと、まさにアジャイル的発想だと言えるでしょう。
↓
《追記》
2021年4月に「増補改訂版 V字回復の経営―2年で会社を変えられますか」が
発売となりました!
このストーリーのモデルとなっているコマツの鈴木氏との対談が補強されいてます。
ぜひこちらもご覧ください。
<増補>
【対談】『V字回復の経営』成功への道のり
「動のリーダー」鈴木康夫氏(前コマツ専務)と語る
1 改革が始まった背景
2 強烈な反省論
3 シンプルな戦略を作る
4 改革シナリオを皆に示す
5 驚きの変化
6 その後の川端裕二
三部作
この三部作とは、日本企業の再建の実話をもとに小説形式で書いた3作品のことです。
・「戦略プロフェッショナル-シェア逆転の変革ドラマ-」(1991年)
・「経営パワーの危機-会社再建の変革ドラマ-」(1994年)
・「V字回復の経営-2年で会社を変えられますか-」(2001年)
この三部作に共通するのは、日本企業の課題である
●組織の官僚化
●戦略の欠如
●経営者人材の枯渇
を小説形式でリアルに体感できる面白さがあります。きっと、会社勤めの方は「ある・ある」ではないでしょうか。
一番、面白いのは「V字回復の経営」だと思います。もし「V字回復の経営」を読んで面白いとおもった方は三部作もオススメします!
戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ
経営パワーの危機―会社再建の企業変革ドラマ
V字回復の経営―2年で会社を変えられますか
あらためてもう一度。
この本を読んでいる人も多いはずなのに、
なぜ会社って変われないんでしょうね。。