coffee break

ガンバレ! 国産の手術支援ロボット「hinortori」

国産の手術支援ロボット「hinotori」が公開されました。

 

「hinotori」は、川崎重工業シスメックス社の合弁会社であるメディカロイド社が作る手術支援ロボットです。

手術支援ロボットは、ロボット自身が手術するのではなく、人間がロボットを操作して手術を行います。基本的に内視鏡を使った手術ですので開腹を行わないため、傷口が小さく出血も少ないので、患者さんへの負荷が少ない手術を可能とします。また、保険適用にもなっています。
将来は、著名な先生に遠隔で手術をしてもらうということも可能になるでしょう。

「hinotori」の名前の由来について、メディカロイド社のホームページには以下のとおり書かれています。

本システムの名称「hinotori」は、日本を代表する漫画家で、医師免許を持つ手塚治虫先生が生涯を通じて描き続けた名著「火の鳥」より採用いたしました。
メディカロイドが目指すロボットは、“人の代わりとなる”のではなく、“人に仕え、人を支える”ロボットという考え方に、手塚プロダクションからご賛同をいただき、採用が実現しました。手塚治虫先生が「火の鳥」という作品を通じて、命の尊さと向き合い続けたように、メディカロイドは、「hinotoriTM」を通じて、命と向き合われる医療従事者の方々をサポートしていきます。

 

ちなみにこの手術ロボットの分野は、今まで米国インテュイティブサージカル社の「da Vinci Surgical System(以下、ダヴィンチ)」が独占していたようです。日本でも約400台が稼働しているようです。
驚くのはその価格。1台3億円!くらいするそうです!!

内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」について|上尾中央総合病院

一方、「hinotori」の価格は1億円と言われているようですが、ランニングコストも踏まえるともっと競争力があると期待されます。
このダヴィンチの基本特許が切れることを契機に、これから各社が参入し競争が激しくなるとのことです。

ところで、先日、三菱重工業が開発する国産民間機「MRJ」の開発が凍結になったというたいへん残念なニュースがありました。

三菱重工、旅客機開発凍結が物語る日本製造業の「ゲンバ」崩壊(現代ビジネス)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77062

理由はよくわかりませんが、このプロジェクトを「下町ロケット」に出てくる帝国重工とかぶらせて期待をしていた人も多いと思います。
すると、やはりここに関わっていた佃製作所のような会社もたくさんあったのではないかと思われます。

今、情報産業ではもっぱらGAFAに押されっぱなしですが、さらに今度はイーロン・マスク率いるSpaceX社の民間開発ロケットが、野口さんを乗せて有人飛行に成功しました。

情報産業やロケットはもはや勝てないとしても、もともと日本のお家芸である「hinotori」のようなロボット分野はぜひとも「日本の技術力」でがんばってほしいと思います!

国もケチケチしないで、思い切った投資(支援)をお願いします!

「ガンバレ、日本!」
「ガンバレ、hinotori!」